放射線科

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放射線科

概要(対象疾患と診療内容)

レントゲンの発見以来、医学に放射線を応用する研究を軸に発展してきた診療科で、主な方向性として(1)体の中の情報を画像としてとらえる(画像診断)、(2)放射線を体に当てることにより治療効果を得る(放射線治療)、といったことを行なっており、その性質上全身のすべての臓器・器官、すべての診療科と関わることになります。逆に、「消化器科」「小児科」といったように一般の外来患者さんが「この科へかかろう」と考える対象にはならない科であり、他の診療科が「この患者さんにはこの画像診断を」「この患者さんには放射線治療を」といった必要を感じた時に、その要望に応じて機能を提供する、いわば「他の診療科のためのサービス部門」という性格の科です。 放射線科の業務分野は、大きく以下の4つに括られています。

それぞれの内容について、詳しくは上の各項目をクリックしてご覧ください。

当科診療の特色

地域の中核病院としての機能の充実を目指し、放射線部門の診断および治療設備として高水準のものを取りそろえてあります。高精度放射線治療が可能な最新鋭の放射線治療装置や、県内でも実施施設が限られる「PET」など、近隣の諸医療機関のより高いニーズに対応できるサービスを提供します。
これらのサービスを高いレベルで実施できるようにするには、高度の専門知識・技能を持った人員も必要です。当科では、医師・技師とも必要な専門資格を持ったスタッフを確保し、最新の医療事情にも高水準で対応します。

スタッフ紹介

氏 名 小原 東也 (おばら とうや)
職 名 第1放射線治療科長
卒業年 平成元年 岩手医科大学卒
専門領域 放射線治療、核医学
学会資格等 日本医学放射線学会(専門医)、日本放射線腫瘍学会(放射線治療専門医)、日本核医学会(核医学専門医、PET核医学認定医)、日本医療情報学会(上級医療情報技師)、日本がん治療認定医機構(がん治療認定医)、肺がんCT検診認定機構(認定医師)、第1種放射線取扱主任者、医用画像情報専門技師、公認医療情報システム監査人補
氏 名 関澤 玄一郎 (せきざわ げんいちろう)
職 名 参与兼第2放射線治療科長
卒業年 昭和50年 岩手医科大学卒
専門領域 放射線治療
学会資格等 日本放射線腫瘍学会(放射線治療専門医)
氏 名 熊坂 由紀子 (くまさか ゆきこ)
職 名 放射線診断科長
卒業年 昭和60年 東京女子医科大学卒
専門領域 画像診断
資格等 日本医学放射線学会(放射線診断専門医)、マンモグラフィ検診精度管理中央委員会(検診マンモグラフィ読影認定医師)、日本核医学学会(PET核医学認定医)日本磁気共鳴医学会、日本IVR学会、日本骨軟部放射線研究会
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1)画像診断

身体のあらゆる部位について、外見からではわからない内部の状態を画像で表し、何が起こっているのかを明らかにして診断の有力な情報とする仕事です。当院の放射線科の診断部門では、以下のようなさまざまな診断装置を備え、ほとんどの臨床診断のニーズに対応しています(さらに詳細は以下の各項目をクリック)

(この他にも 他分野・他部門の管轄に入るものなどいくつかあります)

こうした画像診断で得られた各種医用画像は情報量が非常に豊富で、これに関する専門知識を持つ「放射線診断医」でなければ読み取れないような情報も多々あります。そこで、こうした専門家が画像を見て、その画像からどんなことがわかるのか(画像の「所見」と言います)を読み取り、報告書の形にまとめる仕事をします。各臨床科の医師は、この報告書を参照しながら画像を見ることによって、診断に役立つ有力な情報を容易に得ることができるようになります。

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※※※編集者さんへ:このページの上記4項目のリンク先は 診療放射線科で用意された各種診断機器の説明となります。※※※

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2)IVR( Interventional Radiology )

項目1)のような多くの種類の画像診断は、基本的に身体の中の情報を調べるために使うものですが、身体の中の情報が画像でわかるということは、その画像を見ながら身体の外から体内の諸臓器に対してさまざまなアプローチをする「道しるべ」としても利用できることを意味します。これを利用して、手術のように身体を切り開くことなしに、体内の特定の臓器を狙った治療を行なうという分野が近年になって発展してきました。この技術分野は医学上「IVR」と称されています(日本語ではこれにあたる適切な訳語がないため、日本語表記でもこのまま呼ばれます)。

大きく (1)血管撮影の手技を利用した方法( vascular IVR :血管内に送り込む「カテーテル」という造影用の管を介しての様々な治療行為)と (2)それ以外( non-vascular IVR )に大別され、具体的な応用技術として以下のようなものがあります(さらに詳細は以下の各項目をクリック)

これらは、画像を見るということに加え、こうした治療手技に特化した知識・技術を持った専門家が手がける分野となります。当院では、大学病院でこうした分野を専門に研究している医師による応援診療によって、これらの治療を受けることが可能です(必要に応じ、大学病院へ紹介となる場合もあります)。

※※※編集者さんへ:「「カテーテル」という造影用の管」のリンク先は この後の「狭義の血管造影(放科05.doc)」になります。 これ以下のリンク先は 次のとおりです: ● 動注療法・リザーバ留置術/動脈塞栓術 →放科06.doc ● 血栓溶解術/血管形成術/血管内ステント →放科07.doc ● 下大静脈フィルタ →放科08.doc ● CTガイド下穿刺(生検/ドレナージ) →放科09.doc ● その他 →放科10.doc 応援診療のドクターはスタッフ紹介に載せますか?※※※

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3)放射線治療

悪性腫瘍の細胞は、正常な細胞に比べ放射線に弱いことが多い、という性質を利用して、放射線を当てることにより悪性腫瘍を消滅させることを狙う治療です(一部、悪性腫瘍ではない疾患にも応用されることがあります)。「比較」の問題なので、悪性腫瘍の細胞が消滅するほどの量の放射線を浴びせると、当たった部分にある元々の正常な細胞も無事では済まないことが多々あり(「放射線障害」を生じる=副作用)、旧来「副作用のきつい治療」として敬遠されるイメージの強い治療手段でした(昔のがん治療における放射線治療のイメージは、「手術できないがんは治らない → 抗がん剤でも手に負えなくなったようながんには一応放射線でもかけておくか」といった程度のもので、完全に「負け組」の位置づけでした)。

しかし、腫瘍に対する放射線の作用に関する研究が進み、また治療装置の技術革新なども加わって、放射線による治療成績が目覚ましい向上を見せている近年、この「放射線治療」は「がん医療」の中で大きく見直され、今やがん医療には欠かすことのできない重要な要素の一つとして定着してきています(野球のピッチャーに例えて、「敗戦処理」から「左のエース」級まで格が上がってきた、などという話も聞かれます)。放射線治療の性質とメリット・デメリット(←詳細はここをクリック)を考慮した上で効果的に使うことで、治療成績の向上はもちろん、患者さんのその後の「生活の質(QOL: Quality of Life )」の改善にも非常に役立つ面を見せてくれます。

放射線を腫瘍に当てるやり方として、大きく (1)身体の外から当てて体内の狙った場所まで到達させる(外照射)、(2)放射線を出す物質の小さな粒を腫瘍の部分に送り込みその場所に集中的に放射線を当てる(小線源治療)、(3)放射性物質を使った薬剤を内服または注射で投与し、病巣に集まる薬剤の性質によって病巣に集中的に放射線を当てる、の3つのアプローチが考えられますが、(3)は別項(核医学)の分野となります。当院では、残念ながら(2)の治療装置は保有していませんが、(1)を実施する「リニアック」(←詳細はここをクリック)という治療装置として、高精度放射線治療(俗に「ピンポイント照射」と称されるもの)(←これに関するコラムはここをクリック)の一部への対応が可能な高機能の装置を導入しています。

※※※編集者さんへ: 「放射線治療の性質とメリット・デメリット」のリンク先は「放科11.doc」になります。 「リニアック」のリンク先は 診療放射線科の同装置の説明ページとなります。 「高精度放射線治療(俗に「ピンポイント照射」と称されるもの)」のリンク先は「放科12.doc」です。※※※

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4)核医学

放射性物質を使った薬剤を、注射または内服の形で体内に投与することにより、これを診断または治療に応用する という特殊な分野です。「放射性物質を体内に入れる」というと恐ろしいことのように思われるかもしれませんが、X線撮影などと同じで、わずかな量であれば健康への影響は無視できる範囲になります(健康診断の時に胸のレントゲン撮影や胃のバリウム検査をすることを不安に思わないのと同じように考えていただいて差し支えありません)。

ただし、取り扱う薬剤が放射性物質であることにより法的な管理が厳重になることと、診断に使う撮影装置(←詳細はここをクリック)が高額なものになることなどから、どこの病院でも気軽にできるというものではなく、限られた医療施設で実施され、複数の病院でこれを共同利用するようなスタイルになるのが一般的です。当院でも、自施設でのニーズの他、他医療機関からの紹介による利用も広く承っています。

当院での核医学分野の目玉としては、がん診断の有力な手段のひとつとして注目されている「ポジトロン断層撮影(PET)」(←詳細はここをクリック)の導入が挙げられ、地域のがん診療のレベルの底上げに貢献することが期待されます。PETは、決して万能な検査ではない(←詳細はここをクリック)のですが(ここを誤解して、PETで検診を受ければ早期のがんは全て見つかると思い込まれることがありがちなのですが)、他の検査と上手に組み合わせることで、がん診療上非常に役立つ情報を提供してくれることが期待できる存在であることは間違いありません。

また、核医学による治療に関しては、県内でも実施施設がわずかな「入院を要する核医学治療」(←詳細はここをクリック)に対応した病床(RI病室)を1床のみ設けており、甲状腺癌でこの治療を要する患者さんの受け入れ施設として貴重な役割を担います。

※※※編集者さんへ:「診断に使う撮影装置」(→ガンマカメラ)と「ポジトロン断層撮影(PET)」のリンク先は 診療放射線科の同装置の説明ページとなります。また、「PETは、決して万能な検査ではない」のリンク先は「放科13.doc」、「入院を要する核医学治療」のリンク先は「放科14.doc」になります。※※※

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狭義の血管造影

体内の各臓器は、その活動に必要な酸素や栄養分を、心臓から送られてくる「動脈」の血液から受け取っています(一部に例外的な存在もありますが)。この「動脈」は、全身の臓器に網の目のように張り巡らされており、この形を画像で見ることができると、各臓器の形・大きさ、異常を起こしている部分、出血の場所、などの諸情報を得ることができます。

現在のように、CTやMRIなど体内の様子を断面で見ることができる種々の検査が発展してきてからは、臓器の形状や大きさなどはこれらで容易に・詳細に観察できるようになりましたが、こうしたものがなく、体内の情報を見る手段がX線による写真撮影に限られていた時代には、血管の形を写真の中に描出することで上記の目的を達する方法しかありませんでした。

皆さんも、ご自分の肺やおなかなどを撮影したX線写真を一度はご覧になったことがあると思いますが、この写真の中で、臓器ひとつひとつの形はもちろん、全ての臓器に行き渡る血管の一本一本なども、くっきり見えるかと言えばそうではありません(明瞭に見えるのは骨と肺の形くらいです)。では、その動脈の様子をどうやったら見ることができるのかというと、見たい動脈の中に「X線写真に写る物質」を流してやった状態で撮影すればよい、ということになります。この、写真で見るために使う「X線写真に写る物質」(薬剤)のことを「造影剤」と言います。

例えば、胃の診断のためにX線透視で使う「バリウム」も、こうした造影剤のひとつです。ただし、あのような水に溶け込まない(不溶性の)ものを血管の中に入れたら、その血管は詰まって大変なことになってしまいます。そこで、血管の中に流しても大丈夫なように作られた薬剤を使う必要があります。この目的に一般に使われるのが「ヨード」というものを用いた薬剤です。人体に毒性を持たない物質になっています(ただし、体質的に合わない人が時々あり、何らかの症状をきたすことがあります:このような人は、再びこの薬剤を使用してはいけません)が、くっきり写真に写るようにするためにはある程度濃い状態で目的とする動脈の中に流れてくれなくてはいけません。そのため、その目的とする動脈のところまで血管の中を通して管(カテーテル)を送り込み、その場に造影剤の原液が放出されるように工夫をします。これがいわゆる「血管造影」です(より正確に表現すれば、「選択的動脈造影」となります)。

動脈というのは、圧力の高い血液が流れる血管なので、概ね身体の中の深い部分を走っています。なので、身体の表面近くにもたくさんある「静脈」と違って、この中に管を刺し込むにはちょっとした(小さな手術に近い)操作を要することになります。動脈の中でも比較的体表に近いところを通っている部分を選び、その部分を消毒し局所麻酔をして、針を刺して管を送り込む、というテクニックを使います。また、終わった後で管を抜くと、刺した穴から圧力の高い血液が噴き出してくるので、これに対する「止血」の操作も必要になり、原則として血管造影の時はその夜動かず安静にするための1泊入院を必要とします。

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動注療法・リザーバ留置術/動脈塞栓術

「狭義の血管造影」の項で述べたような方法で、血管造影では、各臓器へ枝分かれして行く動脈のそれぞれに選択的にカテーテルを進めて行くことができます。ところで、造影剤がそうであるように、治療に使う薬なども、全身に回るように投与するよりも、狙う臓器があるのなら、そこへ行く血管の中だけに流すことができれば、より濃い濃度でその臓器に効いてくれるのではないか、という期待が出てきます(実際、薬剤の中には、濃い濃度であるほど効きがよいという性質のものもあります)。例えば肝臓癌の場合、肝臓に行く動脈の中にカテーテルを進め、そこで抗がん剤を流すことにより、全身に回る薬の総量は少なめでありながら肝臓に作用する薬の濃度は非常に濃い、という状況を作り、効果の向上と全身性副作用の軽減という 通常は相反する目標を両得にすることができます。これが「動脈内注入」→略して「動注」と呼ばれる治療法の発想です。

ただし、治療のたびに 動脈穿刺部分を消毒し局所麻酔をして、針を刺して管を送り込んで動注をやり、終わったら止血して1泊入院して・・・となると、1回やったら次は1ヶ月後、などというのんびりしたスケジュールならまだ我慢できますが、疾患と治療法によっては 1〜2週間おきとか どうかすると毎日、などということもあり、毎日動脈穿刺をされていたのではたまりません。また、1回の治療が長時間かけて行なわれるケースもあり、血管造影の手法では これが終わるまでカテーテルを刺されたままベッドの上で身動きできない状態になり、受ける側としては大変な苦痛です。

こうしたことから、一般の血管注射(皮膚の下にすぐ見える静脈に針を刺して行なう静脈注射)と同じように簡便に動注を行える方法として、狙った動脈の中に先端を置いたカテーテルの根元に小さな丸いタンクのようなもの(リザーバと呼ばれます)をつけて皮膚の下に埋め込んでおく方法が編み出されました。これをやっておくと、皮膚の下のリザーバは盛り上がって見えたりさわるとわかりますから これを狙って針を刺すのは非常に簡単になり、しかも逆流防止弁がついているので針を抜いても動脈の血液が噴き出すこともなく、患者さんは外来などでも通常の点滴感覚で手軽に動注療法を受け、そのまま帰宅することが可能になります。リザーバは 近年では動注だけでなく、自宅で中心静脈栄養を必要とする人などが、そのための注射針を刺す作業を簡便に苦痛少なく行えるようにする目的でも使われるようになってきています(この目的のリザーバは特に「CVポート」とも呼ばれます)。

一方、病気やけがによって内臓から出血が起こり 止まらなくなっている場合、そのまま放置すると生命の危険に至ります。身体の中の出血を止めるには、旧来は手術で開けてみて出血の場所を見て確認しこれを止める、という方法しかありませんでしたが、血管造影で出血している場所が画像でわかるようになると、この血管が詰まる(「塞栓」といいます)ような物質をわざと流すことによって出血を止めることができる、という応用のされ方も行なわれるようになりました。これが「動脈塞栓術」で、出血を止めるだけでなく、病変(腫瘍)に入っている血管の流れを塞栓して止めてしまうことによって、その病変に血が行かないようにして壊死(えし:血液が来ないなどの理由により臓器・組織が生きて行けなくなり、細胞が死んでその臓器・組織が崩れて行く状態のこと)させ、活動を止めたり縮小させることができる、という形にも応用されるようになってきています(主な対象:肝臓癌、巨大な子宮筋腫など)。

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血栓溶解術/血管形成術/血管内ステント

「動脈塞栓術」の項で述べているように出血で困るという状況もある一方、正常な諸臓器に行き渡っている血管は必要な血液を供給してこれらの臓器を維持しているため、血管の異常(動脈硬化や血栓の形成など)によって血管が詰まり血流が減ってしまうと、これらの臓器が血の足りない状態(「虚血」と言います:これが心臓に起こると「狭心症」となります)になって障害が起こり、程度のひどい場合は「梗塞」(脳梗塞、心筋梗塞、腎梗塞など)を起こしてその臓器がダメになってしまいます。こんな時、血管造影によって動脈が狭くなったり詰まったりした場所を突き止めることができたら、そのままそのカテーテルを使ってこれを解除する治療に移ることができます。例えば、この詰まりの原因が、その場所に血栓ができたためである場合、血栓を溶かすような薬剤を流すことによって詰まりをとることができます。これが「血栓溶解術」です(虚血の状態が短時間であれば臓器は元の状態に回復できますが、時間が経つにつれて虚血により組織が死んで「梗塞」が出来上がって行き、こうなると回復できなくなります:従って、「血栓溶解術」には実施可能なタイムリミットがあり、詰まってから時間が経つほど回復できる可能性・回復の度合いは低下して行きます)。

しかし、血栓がうまく溶けてくれない場合(できてから時間が経っているなど)や、詰まりの原因が血栓でない場合(閉塞性動脈硬化症といったものがあります)などは、狭くなった部分にしぼんだ風船を通し、これを膨らませることによって力ずくで血管内の道を拡げ、血流を回復させる方法があります。これを「血管形成術」と言います。(糖尿病では閉塞性動脈硬化症によって足に行く動脈が詰まり、足先などが壊死に陥ることはしばしば見られ、回復が見込めない場合は切断しなければならなくなることもあります:この場合、動脈が1カ所だけで詰まっている状態であることは少なく、かなり広い範囲にわたって通過が悪くなっていることが多いので、こうしたカテーテルによるアプローチでも解決が困難なことになりがちです → なので、糖尿病はやはりちゃんと治療を行なって 血管がこうした状況に至らないようにコントロールするのが最善であることになります)

この時、一旦拡がっても、その後日数が経つうちに再びその部分が狭くなってくる、ということを起こすこともままあります。これを防ぐために、拡げた道を内側から支えるような金属の鞘(「ステント」と呼ばれる網目状の管)をあてがうことを選択する場合もあります。ステントは、血管治療以外の分野でも使われることがあり、現代の医療の中ではさまざまな応用がなされています。

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下大静脈フィルタ

近年ニュース報道などで知名度の上がった疾患に「エコノミークラス症候群」というのがあります。これは起こりやすい状況から名付けられた俗称で、正式には「肺血栓塞栓症」と言います。

心臓から送り出された血液は「動脈」を通して全身の各臓器に勢いよく行き渡り、諸臓器で酸素や栄養を受け渡した後のいわば「からっぽ」になった血液は「静脈」を通って心臓へ帰って行きますが、この血液がまた心臓から全身へ回ったのでは、諸臓器へ向かう血液は「からっぽ」のままです。従って、再び全身へ向かう前に、一度静脈から戻ってきた血液は 今度は肺に回るしくみになっています。肺へ向かう「肺動脈」ではまだ「からっぽ」のままの血液が、肺の中を巡るうちに 吸い込まれた空気に触れて酸素をたっぷり補給します。これで再び全身へ向かう準備ができ、もう一度心臓へ帰った血液はいよいよまた全身に回ることになります(このために、心臓の中では「全身に向かう血液」と「肺に向かう血液」という2系統の流れがあり、心臓の中の構造から前者を「左心系」、後者を「右心系」と言います)。

ところが、全身から心臓へ帰る「静脈」の流れは、動脈と違って勢いがなく、身体を動かしていると筋肉の動きに押し出されて流れがよくなりますが、動かないでいると淀みがちになり、血の塊(血栓)を作りやすい状態になります(特に、女性では脚の静脈に瘤ができて炎症を起こす「下肢深部静脈炎」の状態にあることがしばしばあり、この場合さらに血栓ができやすい)。狭いエコノミークラスの席に長時間座ったままで動かずに居ると、特に脚の静脈の中には血栓ができあがり大きくなって行きます。この状態で、この血栓が何かのはずみにふと流れに乗って飛んでいくと、行き着く先は先ほどの「肺動脈」です。ここで引っかかって肺動脈の流れを塞いでしまうと、静脈から肺に来た血液が酸素を補給することができなくなります。これは、息を吸い込めなくなっているのと同じことで、突然呼吸が苦しい感じに襲われたり、いきなり意識を失ってしまったりします。そして、すぐに適切な対処を受けないと死に至る危険性も高い、怖い疾患です。

まずはこの状況を脱するための治療(血栓溶解剤、カテーテル治療など)が行なわれますが、とりあえずこれで窮地を脱しても、静脈の中にはまだ血栓が残っていることも多く、いつまた血栓が飛んできて同じことを起こさないとも限りません。そこで、これを防ぐ方法として、脚の静脈から心臓へ帰る途中の大きな静脈(下大静脈)の中に、血栓を引っかける金属の網(フィルタ)を仕掛けておく治療が多く行なわれます。これを挿入して塞栓の再発を防ぎながら血栓ができにくくなるような薬の内服を続け、ある程度期間が経過してそろそろ心配がなくなってきたと判断されたら、仕掛けておいたフィルタを取り除くということが行なわれます。

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CTガイド下穿刺(生検/ドレナージ)

例えば、身体の中にある病変の塊が見つかった時、それが治療を必要とするものかどうか、腫瘍であるかその他のものであるか、腫瘍だとしたら悪性かどうか、どんな種類の腫瘍か・・・といったことは、各種の血液検査、CTやMRIその他の画像などによって、ある程度絞り込むことは可能ですが、最終的には実際にその塊の一部を採ってきて、これを顕微鏡で見て組織の内容・細胞の種類を突き止める(これを「病理検査」と言います)ことで確定します。病理検査には、死亡した人の身体を調べて死の原因となった病状を究明する「剖検(ぼうけん)」というのもありますが、今病気で困っている人を治療するために病気の中身を明らかにする目的の「生検(せいけん:実際に生きている人の身体から問題となる組織の一部を採って病理検査をすること)」も重要です。針を刺して、その針で採れるくらいのごく少量の組織で病理を見る「針生検」は、現代の医療の中でよく用いられます(身体に針を刺すことを、医療の世界の言葉で「穿刺」と言います)。

身体の表面にある病変なら、その一部を切り取る・針で刺して細胞を採るなどの操作による生検が容易に可能です。また、胃など消化管の粘膜に生じた病変の生検は、内視鏡で見ながら鉗子で採るなどの方法が使われます。しかし、病変はこうした操作に都合のよい場所にばかり出るとは限りません。例えば、X線CTで、身体の深い場所に病変が見つかったけれど、表面からは見えないし、内視鏡で見えるような場所でもない・・・こうした場合、この病変を生検するにはどうしたらよいでしょうか? 手術で身体を開けてみれば到達はできますが、それはできれば病変の全容がつかめたところで治療のために行なう手術の段階にしたいところです(もし実際に開けた結果手術できないようなものであることがわかってしまった場合は、そのまま閉じてしまうしかありません)。

この場合、CTで見えているのですから、これを利用するのが最もストレートな道筋ということになります。近年のCT装置では、ひとつの断面を撮影するのは一瞬でできてしまいますので、例えば病変の見えている断面を1枚撮影し、次にその断面上の皮膚の適当な点にCTに写る目印を置いてもう一度撮影すると そこから病変までがどの向きでどのくらいの深さで・・・ということが画面の上で計測できます。計測した通りに、局所麻酔して針を刺し進めて行き、もう一度撮影すると、狙った場所に針が到達しているかどうかが確認できます。このような方法で、ある程度の大きさを持つ病変であれば、CTの画像を頼りに針を差し込むことが可能になります。こうして腫瘍などの塊に針を刺し、身体をメスで切ることなく細胞を採ることを行なうのが「CTガイド下生検」です。

また、身体の中に水や膿がたまっている場所があって、これが周囲を圧迫して苦痛を生じたり熱が出たりしている場合、この水や膿を抜くことにより症状を取って治りを促すこと(「ドレナージ」と言います)が行なわれますが、皮膚の下すぐの部分にある腹水に針を刺すのは簡単でも、身体の奥のほうになるとめくらめっぽうに刺すわけには行きません。このような場合にも、上記と同様の手順で 刺したい場所に安全・確実に針を誘導し 水や膿を抜くための管を送り込むことが可能になります。

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その他のIVR

身体の中の情報を見る手段として、CTやMRI以外に日常診療の中で手軽によく用いられるものに「超音波断層画像(エコー)」があり、これも体内に刺す針の誘導に用いることができます(超音波ガイド下穿刺: non-vascular IVR のひとつ)。CTやMRIと比べ軽快な装置で、機動性が高い面で便利なのですが、見える視野の範囲が狭く客観性に乏しいこと、見たい臓器までの間に空気が存在するとこれに邪魔されて見えなくなってしまうことなど、完全でない部分もあり、これらの問題点に応じて適宜X線透視などと組み合わせて用いたり、超音波ではなくCTガイドを選択したりするなどします。

また、CTガイド下穿刺を応用して、骨粗鬆症や腫瘍の転移などによってつぶれて痛みを生じている脊椎の骨に針を刺し込み、骨を固める特殊なセメントを流し込んでやると、たちどころに痛みが軽減して歩けるようになる、といった治療も編み出されています(椎体形成術)。腫瘍が骨に転移したことによる痛みに対しては、この他にもいくつかの対処手段が用意されていますが、椎体形成術は効果に即効性がある点およびその後の骨の破壊の進行をある程度食い止める効果がある点で優れています。ただし、基本的に椎体1個だけの場合に限られ、また病変を生じた骨が既に壊れて脊髄の方向へはみ出しているような場合は適用できないなどの制限もあり、個々のケースごとに施行可能かどうかの判断が必要になります。

この他にも、さまざまなIVR技術が工夫されており、医療の中のいろいろな場面で活躍しています。現在の医療の中では、IVRの他にも内視鏡治療・腹腔鏡手術など身体に対するダメージを小さくする工夫をした「低侵襲治療」が日々発展を続けており、治療の選択肢は幅広いものとなってきています。

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放射線治療の性質とメリット・デメリット

放射線治療は、長所・短所を含め以下のような特性を持っています

(1)腫瘍の細胞の数(量)を減らす治療です。

手術のように、存在する腫瘍の細胞を身体の外へ取り除いてしまう効き方ではありません。その意味では化学療法(通称「抗がん剤」と呼ばれる薬剤による治療)に似ています。うまく効いて、腫瘍の塊が小さくなり、その後大きくなってこなければ、「おそらく生存している腫瘍の細胞はなくなったであろう」と考えられますが、本当にそうなのかどうかは その後本当に大きくなることがないのかどうかをずっと追跡して結果を見なければわかりません(治療した後の部分から細胞の一部を採って、顕微鏡で腫瘍細胞が残っていないかどうかを見る場合もありますが、ここで腫瘍細胞が見つからなかったとしても 細胞を採った以外の部分に腫瘍細胞が残っていないという保証はありません)。

その意味では、その場から塊を物理的に取り去ってしまう手術という方法は直観的で後腐れのない方法のように思われますが、それはあくまで「完全に取りきれた」場合に限った話で、実際の手術では、悪性の腫瘍は周囲の臓器組織に染み込んでいくように成長するため塊の境界線がどこまでなのかがわかりにくく、身体の都合を考慮すると「余裕を見込んで完全に取りきる」ような切り取り方が困難である場合も多々ありますし、何とか取りきったようでも境界線ぎりぎりだったりすると、切り口の部分に目に見えないような腫瘍細胞の残りがあって しばらく経つとまた腫瘍が出てくるようなことになる場合もあります。手術では、切り取ったものの切り口の部分を顕微鏡で確認して 細胞が残っていないかどうかを評価しますが、細胞が残っている危険性があるが切り取る場所の都合などでもうこれ以上は切れない ということになった場合、残っている可能性のある腫瘍細胞に対しては放射線や化学療法を使って再発を防ぐようにすることが多く行なわれます。

(2) 元の臓器を残したまま行なわれる治療です。

これも化学療法と共通した特性で、手術で切り取ってしまうとその部分の臓器は損なわれてしまうことになりますが、放射線でうまく治療できると元の臓器の機能が温存できる可能性があります。もっとも、その臓器自体も放射線を浴びると放射線障害を起こしてダメージを受け、全く元のままというわけにはいかない部分もありますが、切り取るということに比べれば小さな影響で済むのは確かです。

代表的な例として喉頭癌があり、喉頭癌は一般的には声を出す「声帯」の部分に生じるのでこれを手術で切り取ってしまうとその人は永久に「声」を失ってしまうことになりますが、放射線で治すことができると、元の声の質とは多少変わっても「発声」の機能そのものは失わずに済み、その後の生活の質( QOL : Quality of Life )に与える影響の差は絶大です。早期の喉頭癌は放射線治療で充分治癒する(手術成績と変わりません)ことがわかっており、放射線治療が標準の治療法として認められています。

(3) 当たった場所にのみ効果があります。

放射線は物理的エネルギーなので、当たった場所でだけ反応を起こします。つまり「局所療法」としての性質を持っており、その意味では手術と似ています。これは、「当てた場所以外には効果がない」ことを意味し、手術が「全部取りきれないと根治にならない」のと同様に、放射線も根治的に当てようと思えば拡がっている可能性のある範囲は全てカバーするように当てなければなりません。そして、当てた場所以外に転移が起こることまでは予防できません。

上記は短所としての側面ですが、逆に「当たっていない場所には影響はない」ということにもなります。つまり、治療部位以外には余計な放射線障害を起こさないので影響は必要最小限にできる、というわけです。近年発達してきている高精度放射線治療ではこの面の特性がさらに向上しており、「身体にやさしい放射線治療」として注目されているのです。

ただし、放射線を当てる範囲が広い患者さんの場合、血液の状態に影響することがあり、特に「白血球」という成分の数が減るという形で現れます(減り方がひどい場合もまれにあり、日常生活に差し障るほどまで減ると問題があるので、治療期間中は定期的に血球の数を調べながら進めて行きます)。また、全身的な体調の悪さ(だるい、食欲がない、むかむかするなど)を訴えることがときどきあり、二日酔いに似た症状という意味で「放射線宿酔」と呼ばれ、やや不定愁訴的な症状になりますが、出るとしても放射線治療単独ではそうひどい症状になることはまれです(化学療法と併用している患者さんでは強く出ることもあります)。照射の始めの頃にこうした不調を感じても、照射を続けて行くと身体が慣れてきてあまり感じなくなっていくこともあります。

(4) 臓器や腫瘍の種類によって向き・不向きがあります。

「悪性腫瘍の細胞は正常な細胞に比べ放射線に弱いことが多い、という性質を利用して行なう治療」であると書きましたが、「ことが多い」というのは「そうであるとは限らない」ということでもあり、大雑把な話で言うと「その腫瘍の細胞が放射線にどの程度やられやすいか(放射線感受性)」と「元の臓器がどの程度放射線に耐えられるか(耐容性)」とのバランスで大勢が決まる、と言えます。まず、対象となる腫瘍の細胞の種類によって、放射線の効きやすさの度合いが概ね決まっており、放射線がよく効く(放射線感受性が高い)種類の腫瘍は少しの照射でもどんどん小さくなり、よい治療対象になりやすいのに対し、放射線に抵抗性の強い(放射線感受性が低い)種類の腫瘍はたくさん放射線を照射しても効果が上がらず治療に不向きであることになります。一方、治療対象となる臓器自体も、放射線にある程度耐えられるものと、少ない放射線でもダメージが大きい臓器とがあり、放射線に弱い臓器には放射線をあまり照射できないのでよい治療対象になりにくいことになります。この2つの要素の兼ね合いで、腫瘍が放射線に弱く、臓器が放射線に耐えられる場合は放射線治療に有利な条件であると言えます(この差の大きさを放射線腫瘍学の世界では「治療可能比」と言い、差がわずかであると治療に必要な量の放射線で臓器もかなりダメージを受けることになりますし、腫瘍細胞の放射線抵抗性と臓器の耐容性が逆転している場合は原則として治療が成り立たないことになります)。

(5) 原則として、毎日少しずつの放射線を1〜2ヶ月程度の期間にわたって行ないます。

腫瘍の細胞と正常な細胞では放射線に対する抵抗性に差があるということが前提になっている治療ですが、実は腫瘍の治療に必要な量の放射線を一度に照射してしまうとその差が現れにくく、正常な臓器にもダメージの大きな治療となりせっかくのメリットが活かせません。なぜ腫瘍の細胞と正常な細胞で効果に差が出るのかというと、一度放射線を受けてある程度のダメージが生じたとき、そこから1日ほど(理論的には4〜6時間以上)放置しておくと、正常な細胞ではこのダメージを回復する働きが起こり状態が持ち直すのに対し、腫瘍細胞ではこの働きが鈍く、1日経ってもダメージがほぼ回復しないままになっている点に違いがあるからなのです。あまり長い日数放置しておくと腫瘍細胞もさすがにある程度立ち直ってきますが、その立ち直りが来る前に次の照射を入れてしまうことによりダメージがそのまま蓄積していく展開になります。正常な細胞も、1日での回復は完璧とは言えないので、長い日数の間には徐々にダメージが増えて行きますが、両者の差が日を追うごとにどんどん広がって行くので、最終的には腫瘍の細胞がほぼ全滅するところまで行っても正常な細胞はある程度のダメージの範囲で持ちこたえることになり、狙った治療効果を達成することになります。こうして、少量の放射線を多数回に分けて照射するやり方を「分割照射」と言い、放射線治療の基本戦略となっています(一部の治療には例外的なものもあります)。そのため、患者さんには長期間毎日治療を受けていただかなくてはならない点が負担となるのですが、これは治療の特性上必要なことなのです。

(6) 副作用(放射線障害)のパターンは概ね決まっています。

放射線が身体に当たった場合、どのくらいの量の放射線が当たるとその場所にどんなことが起こるというのは、そこにある臓器・組織の種類によってだいたい決まっています。そして、影響の出方のパターンは大きく2つのグループに分けて考えられます。

まずひとつは、「急性反応」と呼ばれるもので、放射線が当たったことによる臓器・組織の反応というのは大雑把には「炎症を起こす」ということだと考えてよいでしょう。炎症が起こるとどんな様子になるかというのが臓器・組織によって決まっているので、「どういう症状として表れるか」ということもほぼ予測されることの範囲内になります。一般的には、腫瘍を抑え込むくらいの量の放射線が当たるとその場所にある正常な組織もただでは済まないことが多いので、この反応は放射線治療を受けると(程度の差はあっても)だいたい生じることになると思っていただいた方がよいでしょう。ただし、ダメージの蓄積が表面化した結果出てくるものなので、照射するといきなり来るというものではなく、照射の回数が重なるにつれ徐々に出てくる、という具合になります。また、照射が続いていると炎症が強まり症状もひどくなって行きますが、照射をやめれば炎症は治まって行きますので、予定の治療回数をこなして照射が終わると、そこから日を追うに従って症状はだんだん軽減して行きます。従って、この反応は基本的に治療が続いている間だけの一時的なものと思っていただければよいでしょう。

もうひとつは「晩期障害」と呼ばれ、治療が終わってから数ヶ月あるいは数年という期間が経ってから放射線が当たった場所に起こる障害が知られています。これは、前述の急性障害と違って「受けた人はだいたい起こす」というものではなく、治療に必要な量の照射を受けた人の中で概ね5〜10%程度の頻度と見られています(照射部位や実際に照射された量などによってばらつきあり)。ただし、後から出てくるようなものだけあって、これを起こすと原則的には放っておいて治るようなものではありません。中には、その後のその人の生命に関わったり、日常生活の上で重大な問題を引き起こすような結果になるものもあるので注意が必要です(その障害のために手術をしなければならなくなるような場合もあり得ます)。放射線がたくさん当たるほど起こる確率も高くなっていくので、照射の仕方を工夫し精度を高めることによってその危険性を極力小さくする努力が行なわれます。

(7)ひとつの場所には照射できる量に限度があります。

上記のように、ある場所に放射線がたくさん当たると、その場所が回復不可能な晩期障害に陥る危険性が高くなってきます。その危険性は、臓器の種類などによって決まるある値を境にして急に出現・増加することがわかっているので、原則としてひとつの場所には照射する放射線の量の合計がその値を超えないようにしなければなりません。従って、ある部位にかつて放射線治療を行なった患者さんが、もし同じ場所に再び腫瘍を生じたとしても、前と同じようにまた放射線を当てるということはできないのが普通です(前回の照射量がどれくらいであったか、今回必要な量はどれくらいか、その部位にどんな臓器・組織が含まれているか といったことによって決まりますが)。ひとつの場所には、放射線治療は基本的に1回勝負であると考えていただければよいと思います。なお、前述のように 放射線は当てた部位以外には基本的に影響ありませんので、もし違う場所に新たに出てきた腫瘍に放射線治療を行ないたい場合は問題なく行なうことができます。

(8)毎回の治療自体は非常に楽に受けられます。

回数が進むにつれ出てくる影響の話もしましたが、それは後から出てくる結果の部分であって、照射を受けること自体はレントゲン写真を撮ってもらうことと似たようなものですから、特に苦痛を伴うようなものではありません。一般的な照射の仕方の場合は、1回の治療に要する時間も(準備の段取りなどを含めて)数分〜10分程度と短時間で済みます。治療内容にもよりますが、治療に伴う副作用もきわめて軽微なものも多く、この場合病院までの通院が大変でない人なら毎日の通院での治療も充分可能です。普通に家庭で日常生活を続け、仕事にも通いながら治療をこなせるということは、患者さんの治療における選択の幅を拡げることにもつながります。

(9)「苦痛の軽減」という効果をもたらしてくれる面があります。

腫瘍の病巣は患者さんに大きな苦痛を与えることが多々あります。治療というのは「治す」ことをイメージするのが当然ですが、その治療を行なうことが「完治する」ことに直結しなくても、その苦痛を取り除く役に立つことで、その後の患者さんの生活上大きな意味をもたらすことになったりします。こうした取り組みを「緩和医療」といい(緩和医療科のページもぜひご覧ください)、現代のがん医療の中で重要な役割を果たしています。放射線治療は、こうした面でも有力な手段として活躍します。

(10)放射線を身体に当てたら、周りの人にも放射線の影響があるのでしょうか?

これは時々誤解されがちなところなのですが、身体の外から放射線を当てる治療では、その身体に「放射能(放射線を出す性質のことをこう言います)」が残ることはありません。治療を受けた人が帰ったあとも、家族や周囲の人との接触には全く心配ありません。一方、身体の中に「放射性物質」を入れるという形で検査や治療が行なわれるケースもあり、これも多くの場合周囲の人にその放射線の影響が及ぶ心配はしなくてよいものなのですが、一部のケースでは日常生活上の注意が与えられる場合があります(ただし、これも一般的な人の感覚から言えば「念には念を入れて」というレベルのもので、基本的には患者さんの治療のためにその人の身体の中に入れるということをするくらいのものなのですから、それが他の人に深刻な影響をもたらすようなものであるはずはないのです)。

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【コラム】通称「ピンポイント照射」とマスコミの功罪

医療に関するさまざまな話題がマスコミで取り上げられることは多いもので、医療機関などに対するマイナスイメージの記事も枚挙にいとまがないのですが(もっともこれは、最近の医療事情の危機的情勢が徐々に理解されてきており近頃はやや下火になりつつありますが)、一方では最先端の医療技術をセンセーショナルに伝える報道や情報バラエティなどもしばしば見られ、患者さんやそのご家族の方々の中にもこうした情報に非常に関心をお持ちでお問い合わせなどをくださるケースが増えてきています。

放射線治療に関しても、この分野を牽引してがんばっておられる先生方の努力のおかげでマスコミに話題として取り上げられることが増えてきており、認知と利用の促進への道が開けてきていることは非常によいことと思われます。ただし、報道というのは情報量(時間あるいは紙面)が限られていることが多い上、伝えるマスコミの方々も医療の専門家というわけではないので、理解が偏っていたり、本質と違うところを見ていたり、伝えられ方が一面的であったりするケースがしばしばあるというのも避けられない部分があり(また 素人さん向けの説明にするために、簡略な表現にしたり、細かい・難しい部分を省いたりすることによって、厳密性を欠く結果になることもあります:それはこのホームページの記事も同じことではあるのですが)、情報を捉える立場の方々にはこのあたりの事情を頭の片隅に置いておいていただく必要があるかな、とも思います。

で、タイトルの「ピンポイント照射」ですが、これも(こういう言葉はもともと医療界側のものではなく、素人にわかりやすくインパクトのある言葉としてマスコミ向けに編み出されたものです)マスコミ報道によって華々しく取り上げられた話題のひとつです。かつて、これを取り上げたある情報番組の放送から間もなく、早速私どものところにもお問い合わせのお電話を何件かいただきました。「お宅の病院では受けられるのか」「家族ががんで治療中なのだが、近くでこれをやっている病院はないか」といった感じで、その当時これはまさに「最新」の話で、これができる装置はまだそうどこにでもあるものではない状況でしたから、まずはそれをお伝えすることにはなるのですが、さらにちゃんとお話を伺ってみると、こちらにとっては案の定という感じなのですが、その「ピンポイント照射」をやる意味のある状況ではない患者さんであるケースが大半なのです。

どういうことか?というと、別項で書いているように、放射線治療は局所的治療の一種であり、それを究極のところまで持って行こうとしているのがこの「ピンポイント照射」なのですが、それはすなわち「当たる部分をうんと絞り込む」手段であるわけです。「絞り込む」ということは、「うんと小さく当てて余計な部分の障害を極小化する」ということが目的で、これが成り立つのは その「うんと小さな部分」にさえ放射線を当てれば治る、という条件の疾患であれば使える、という前提があるわけです。この前提部分は、裏を返せば「そんながんは非常に限られている」ということになるわけで(基本的に「当たっている場所にしか効かない」ということは、拡がっている可能性のある範囲は全部当たるようにしないと治るには至らないということで、がんの放射線治療では「ある程度広い範囲に当てる」ことに治療的意味があることが多くあるのです)、これは厳しい部分の話になりますが、ここまで突っ込んで正直に紹介してしまうと記事としては全く面白くないものになってしまいますので、そこまでしつこくは伝えられません。すると、素晴らしい技術であることだけがクローズアップされ、これを見た人たちは、「これこそこれからの理想の治療だ、どんながんでもどんどんこれでやってもらえばいいじゃないか」となってしまうのは まあ当たり前の反応ということになります。

そんなわけで、電話でのお問い合わせに対してここまでの説明をしてご理解いただくというのは困難なので、ざっとお答えした後で「今の治療を選択している主治医の先生は的確な判断のもとにベストな方法を選択しているはずだから、まずは主治医の先生ともご相談ください」という返事になってしまうのですが、お電話の向こうの方には概ねがっかりされてしまいます。こちらとしても気持ちは申し訳ないのですが、やはり正しい情報を伝えることが必要なのでやむを得ません。ただ、興味を持ってもらえるきっかけがあったというのは、悪いことではないとも思います。情報をもとにいろいろな働きかけを考える皆さんは、「報道に取り上げられていることだけが全てではない」ということもあらかじめご理解いただければ、と思います。

「ピンポイント照射」は、このように「万能ではありません」が、条件の合う症例では非常に期待の持てる素晴らしい選択肢を増やしてくれたことになり、意味は確かに小さくはないのです。当院でもこの仲間にあたる治療の一部が可能な装置が導入されましたので、今後この治療の恩恵を実感していただける患者さんもきっと出てくることでしょう。

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PETの特徴と限界、注意すべきこと

(1)一般診療の中で行なわれる「PET」ってどんなもの?

PETは核医学検査の一種なのですが、その中でも特定の種類の放射性物質が持つ特別な性質を利用して、特別の装置を使って行なうことにより、一般的な核医学検査とは違った特徴が得られます。学問的に難しい話はさておいて(興味のある方は詳しいサイトがたくさんありますのでそちらをご参照ください)、当院で行なっているPET検査を簡単に言えば、ブドウ糖に似た物質を注射すると悪性腫瘍の塊によく集まる → このブドウ糖もどきの分子構造の一部に上記の「特定の種類の放射性物質」を埋め込むという細工をしておくと、この集まった部分が撮影できる、というしかけです。この「放射性物質を埋め込んだブドウ糖もどき」は、化学構造からついた名前の頭文字をとって「FDG」と呼ばれます。

PETという検査法は、研究のレベルではかなり以前から行なわれていましたが、臨床(実際の診療の場のことです)で役に立つものとして普及し始めたのはだいたい年号が平成に入ってからのことです。この普及の原動力になったのがこの「FDG」による検査で、全身の腫瘍病巣の分布が非常に高感度に検出できるとあって、がん医療の急速な発展に伴い需要が飛躍的に高まったこと、さらにこの検出力の高さをセールスポイントに「がん検診」に利用する新しいビジネス展開を興したクリニックがマスコミに取り上げられるなどして人気を集めたことなども追い風となりました。PETでのがん検診がブームとなった当時は、あらゆる種類の早期がんを見つけることができる夢の検査法というようなイメージで世間的にかなりもてはやされたのですが、そこまで都合のよいものではないという現実が徐々に知られてきたことに加え、自費診療で1回10万円以上(セット内容などによっては20万円以上のことも)という高額も特にバブル崩壊以後はブレーキとなったのか、今ではPETによるがん検診はかなり下火になってきています。

検診ブーム当時は保険診療として認められていなかったPETですが、その後学会などで役に立つと認められているいくつかの用途に限って保険適用が認められることになりました。ただし、腫瘍の検査にあたっては疾患名が限定されている上「他の検査で診断が困難な場合」というしばりがいちいちついているので、腫瘍の診断にならどんどん使えるというわけでもなく、保険の適用にならないので自費でやるという場合(検診など)はやはり実費で10万円近いお金を払わなければなりません(保険が適用されたとしても、3割負担の患者さんでは3万円近い負担となります)。一方、医療機関側にとっては保険で認められている点数はほとんど実費ぎりぎりのレベルなので、正直言って地域のニーズのために採算割れ覚悟でやるようなものになっています。

(2)FDGによるPETの診断の理屈と限界

少々お金の話に脱線しましたが、FDGによるPET(以下「FDG−PET」)の診断能力の話に戻りますと、ブドウ糖が集まるという動きを見ていることになるFDG−PETの画像は、その理屈から言えば、別に腫瘍でなくたってブドウ糖を集める性質の強い細胞なら集まって見えるんじゃないの?という話になります。そして、実際そのとおりなのです。ブドウ糖というのは、人間の身体の中ではあらゆる臓器・組織のエネルギー源として利用されている物質ですから、どの組織にも入り込んで行きます。その度合いに差があるということで異常かどうかを判別しているので、例えば炎症を起こしている部分にも周りと比べブドウ糖がたくさん集まることはあります。炎症での集まり具合に比べ、腫瘍ではより強い集まりを示すことが多いということから、その集まり具合を相対的な比で表した値(この検査で扱われる特徴的な考え方で、SUVと呼ばれる値です)がいくら以上だったら腫瘍が考えられる、といった比較判断をしますが、これらの値には当然個々のケースごとにばらつきがあり、集まり具合のあまり強くない腫瘍もあれば、非常に強い集まりを示す炎症などもあるので、これでもって腫瘍かそうでないかをきっちり判別することはできませんし、極端な場合 腫瘍が存在するのにブドウ糖の集まりが乏しい性質なので画像の中では見えないといったことすらあり得ます(ただし、ブドウ糖を取り込まないということは、その細胞集団の生命活動が乏しいことを意味するとも言えるので、取り込みの少ないような腫瘍はあまりどんどん大きくなっていくような元気がない(悪性度の低い)腫瘍であるという傾向も成り立つようです)。

また、核医学検査一般にそうなのですが、投与した放射性物質を抱え込む細胞の集団が大きな塊を作っていると、そこから出る放射線の量が多くなることによって画像上にはっきり描出されやすくなりますが、この細胞の集団が小さいと出る放射線の量が少なくなり、同じ性質の細胞であっても画像上異常として検出できる可能性が変わってきます。「小さな病変でも高感度で検出できる」のがPETの特色としてよくイメージされることなのですが、これを考えると一概にそうとも言えません(丸い塊の病変である場合、5 mm を下回るサイズの病変の検出率は非常に低くなります)。胃や腸の早期癌は、粘膜に沿って小さく平たく(薄く)拡がる形の病変ができることから始まりますが、こういう病変を検出するのは苦手で、ある程度大きくならないとなかなか見つけられません(→見つかる時にはもう早期癌ではなくなっている)。また、腸の粘膜は正常な状態でもある程度FDGが集まりますので、こうしたところにできる小さな病変はますます見つけづらいことになります。

FDGは注射されて体内に拡がった後、腎臓から尿になって排泄されていきますが、このため腎臓や尿管、膀胱といった部分は必ずたくさんのFDGが集まっている状態になります。ここに病変ができていても判別は困難です。従って、腎・尿路系もFDGによる腫瘍検出の弱点の一つになります。この他、臓器本来の特性として、脳は非常にブドウ糖を消費する臓器なのでFDGも非常に強く集まりますし、肝臓もかなりの集まりを示す臓器で、これらも腫瘍の存在を診断するにはある程度限界があります。

こういった諸々のことから、FDG−PETは当初先行したイメージである「がんを特異的に」「全身のあらゆるがんを」「小さな早期癌のうちから」発見できる、といった夢のような検査というわけではないことがおわかりいただけると思います。それでも、現在の医療で用意されている他の検査手段では及ばないような領域で大きな力を発揮する部分があることは確かですので、「ここぞ」という使いどころで上手に利用することで、がんの診療の中で大いに役立ってくれることが期待されます(この「使いどころ」については、実際の診療を担当する医師が必要に応じて申し込みをしますので、これにお任せいただいていれば間違いないと思っていてよいでしょう)。

(3)FDG−PET検査を活かすために気をつけること

FDG−PETは、前述のようにブドウ糖の集まり方を観察する検査なので、これに影響を与える要素が働くと画像の内容が変わってくる可能性があり、悪くすると診断の役に立たない結果となるおそれもあります。そういう要素は可能な限り排除したほうがよいので、検査を受けるにあたってはいくつか守っていただきたい注意点があります。検査のパンフレットなどにも書いてありますが、かいつまんでいくつかご紹介しておきましょう。

まずは血糖値です。ブドウ糖が血液中にあふれかえっているような状況になると、それが組織や腫瘍に入っていく動きにも当然影響することになり、具体的には血糖値が 150 mg/dl を超えると腫瘍の検出率が低下する影響があり、200 を超えると検査としてほぼ役に立たないとされていますので、検査の前4〜6時間は絶食(食事を食べない)としていただくことになっています。水分も、糖類・カロリーを含まない水道水・ミネラルウォーターやお茶などはよいのですが、ジュースや牛乳、糖分の入ったコーヒー・紅茶などは摂らないでいただきます。検査用の薬剤の注射の前に採血をして血糖値をチェックし、検査に適した条件になっているかを確認させていただきます。注意が必要なのは糖尿病の患者さんで、絶食で血糖値を下げようとすると下がり過ぎて低血糖発作に陥る危険性のある人もいますので、検査の申し込みの際に主治医とご相談ください(単に下がっていればよいというものでもなく、必要なレベルまで下げるために直前にインスリン注射を使ったりすると、そのせいで筋肉への余計な取り込みが増え、やはり診断しにくい画像になったりしますので、これも避けなければいけません)。

また、当日は朝から撮影が終わるまでは筋肉を使うことは控えていただきます。これは、強く使った後の筋肉にFDGがよく集まり、異常な病変とまぎらわしかったり、本来の異常を検出する邪魔になったりするからです。本人が運動したつもりでなくても、例えば検査中の待ち時間にずっとしゃべり続けていたら顎や声帯を動かす筋肉のあたりに集まってしまったといった事例もあり(まあ 相当しゃべったのだろうとは思いますが)、また静かにしていればよいかと読書をしていたら本を持つ腕の筋肉や目の周りの筋肉などに集まったりしたケースもあるようなので、検査に入ったらとにかく何もせず安静にしているのが一番のようです。激しいスポーツは前日からでも影響があるので、前日も避けてください。また、来院も自転車で来るのは避けるようにしてください。

もうひとつは、意外なところですが「寒さ対策」です。人間の身体には、体温が下がった時に一気に熱を生み出して体温を維持する働きをする特殊な脂肪組織が存在しており、この組織が働くとそこにFDGが集まって病変とまぎらわしい画像になることがあります。当地は冬の寒さが厳しい北国なので、検査当日寒い中を病院まで来られる場合には、防寒対策をしっかりしておいでください。

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入院を要する核医学治療

放射性物質を使った薬剤を、注射または内服の形で体内に投与することにより、これを診断または治療に応用する という特殊な分野です。「放射性物質を体内に入れる」というと恐ろしいことのように思われるかもしれませんが、X線撮影などと同じで、わずかな量であれば健康への影響は無視できる範囲になります(健康診断の時に胸のレントゲン撮影や胃のバリウム検査をすることを不安に思わないのと同じように考えていただいて差し支えありません)。

ただし、取り扱う薬剤が放射性物質であることにより法的な管理が厳重になることと、診断に使う撮影装置(←詳細はここをクリック)が高額なものになることなどから、どこの病院でも気軽にできるというものではなく、限られた医療施設で実施され、複数の病院でこれを共同利用するようなスタイルになるのが一般的です。当院でも、自施設でのニーズの他、他医療機関からの紹介による利用も広く承っています。

当院での核医学分野の目玉としては、がん診断の有力な手段のひとつとして注目されている「ポジトロン断層撮影(PET)」(←詳細はここをクリック)の導入が挙げられ、地域のがん診療のレベルの底上げに貢献することが期待されます。PETは、決して万能な検査ではない(←詳細はここをクリック)のですが(ここを誤解して、PETで検診を受ければ早期のがんは全て見つかると思い込まれることがありがちなのですが)、他の検査と上手に組み合わせることで、がん診療上非常に役立つ情報を提供してくれることが期待できる存在であることは間違いありません。

また、核医学による治療に関しては、県内でも実施施設がわずかな「入院を要する核医学治療」(←詳細はここをクリック)に対応した病床(RI病室)を1床のみ設けており、甲状腺癌でこの治療を要する患者さんの受け入れ施設として貴重な役割を担います。

※※※編集者さんへ:「診断に使う撮影装置」(→ガンマカメラ)と「ポジトロン断層撮影(PET)」のリンク先は 診療放射線科の同装置の説明ページとなります。また、「PETは、決して万能な検査ではない」のリンク先は「放科13.doc」、「入院を要する核医学治療」のリンク先は「放科14.doc」になります。※※※

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